■ 祖父に捧げる短歌

 祖父の納骨の日に詠んだ歌。
 【たましずく】には二つの意味を込めています。
 一つは「数珠についた雨雫」、もう一つは「魂の欠片」です。
 本来、魂は四十九日に来世への行き先が決まるといわれています。
 今回は家族の都合で三十五日に納骨しました。
 少し早いので、まだ祖父の魂がそこにいるのではないか……そう思ったので。
 【傘差す我が身と】というのはまあそのまんまです。
 敢えて言うなら濡れたくない我々と、雨を避けられない花を対比したみたいなものです。
 【潤ひ花】というのにも二つの意味があります。
 潤った、すなわち濡れた花は二つ。「桜」と「供えられた仏花」。ここが季語ですね。
 【灯せし灯は消ゆ】というのにも意味が二つ。
 灯された火というのは蝋燭です。それを灯にしたのは命の灯火をイメージしたからです。
 命の灯火、すなわち祖父の命です。
 雨が降っていたので点けても点けても蝋燭の火は消えました。
 まるで自分が死んだという事実を拒んでいるように。
 【三十五日】というのにも微妙に意味があります。
 「たましずく」が四十九日にならば無かった、という意味がここで強調されています。
 (2008/03/30の日記より転載) inserted by FC2 system